フリーランスが最低限知っておきたい帳簿の知識

フリーランスが最低限知っておきたい帳簿の知識

フリーランス、個人事業主にとって
帳簿を付けることは義務といえます。

 
とはいえ、帳簿をつけるのは
ただ大変なだけではなく
ちゃんとメリットもあります。

・自身のビジネスの状態を把握できる
・節税の恩恵を受けられる

どんな方法で、かつ
何を知っておかなければならないか
この機会に把握しておきましょう。

 

また、
付けた帳簿は、

いつでも閲覧できるように
保存しておかなければなりません。

2022年1月1日より
電子帳簿保存法が施行されましたので

紙ではなく電子データで、
かつ電子帳簿保存法の要件に則って
保存することが義務化されました。

  
ちなみに
請求書、見積書、契約書、納品書、送り状は5年保存
それ以外の書類は7年保存が必要でしたが

法改正に伴って
一貫してクラウド会計ソフトを
使用して作成する場合は
紙帳簿の保管は不要になっています。

 

知らなかった。では
済まないケースもあるため

ご自信の身を守るためにも
最低限必要な知識は身につけて
おきましょう。

 

また、
確定申告する際
白色申告と青色申告では

それぞれ必要となる帳簿が異なります。

白色申告では節税メリットが
あまり受けられないため、

可能なら青色申告用に
帳簿を用意することを
おすすめします。

青色申告では

用意する帳簿や申請方法によって
受けられる控除が異なりますので

青色申告で必要になる帳簿から
説明していきますね。

青色申告で必要になる帳簿

最大65万円の控除を
受けるために必要な帳簿

仕訳帳
総勘定元帳
現金出納帳
売掛帳
買掛帳
経費帳
固定資産台帳

なお、確定申告書類を
紙での提出では55万円
e-Tax(電子申告)では65万円

控除を受けることができます。

また、
全部の帳簿を揃えなくても

最低限の帳簿があれば
10万円の控除は受けることができます。

青色申告で10万円控除を受けるために
最低限必要な帳簿は以下の5つ

1 現金出納帳
2 売掛帳
3 買掛帳
4 経費帳
5 固定資産台帳

ただし、

これらの帳簿を使わない
業種やサービスであれば、

必要な帳簿だけで
済んでしまったりと、

思ったよりも簡単に
控除を受けられる
可能性もあります。

まずは税務署などに相談し、

必要な帳簿を
把握しておきましょう。

なお、
確定申告に必要となる
帳簿に関する詳細については、

下記国税庁の該当ページを参考にしてください。

参考:国税庁 –青色申告に必要な帳簿

主要簿

主要簿とは

「仕訳帳」と
「総勘定元帳」の
2種類の帳簿のことです。

65万円の控除を
受けようと思えば、

必ず必要になる帳簿です。

最近は
申告用のソフトなども
充実しているので

必ずしも把握が
必須ではありませんが、

最低限
どんなものを記載する
帳簿なのかは覚えておくと、

帳簿付けがはかどると思います。

仕訳帳

仕訳帳とは、

事業における取引を
発生順に記録する帳簿です。

取引ごとに
”借方”と”貸方”に仕訳を行って
記帳します。

取引発生の年月日、借方勘定科目、
借方金額、貸方勘定科目、貸方金額、摘要

といった項目を
取引ごとに記載するのが一般的です。

総勘定元帳

総勘定元帳とは、

仕訳帳の
”借方”と”貸方”

それぞれの勘定科目を
転記して作成する帳簿です。

すべての取引を
勘定科目の種類ごとに
分類して計算します。

勘定科目ごとに
取引年月日、相手勘定科目、摘要、
借方、貸方、残高

といった項目を整理して
記載するのが一般的です。

補助簿

補助簿は主に

現金出納帳
経費帳
仕入帳および売上帳
売掛帳
買掛帳
固定資産台帳

などの帳簿を指します。

その名の通り、

主要簿の補助的な役割を果たす
帳簿のことです。

現金出納帳

現金出納帳は

現金の増減があった取引を
記載する帳簿のこと

商品の仕入れや
備品の購入など

現金による支出となる項目、

もしくは商品を
現金で購入してもらった、
報酬を現金でもらった

など
現金による収入となる
項目を記載します。

複数の銀行口座を所持しており、
事業で利用している場合は

口座ごとの取引それぞれで
現金出納帳を作成する必要があります。

経費帳

経費帳とは、

仕入れ(売上原価)を
含まない

経費を記帳する帳簿のことです。

勘定科目ごとに
取引の日付や金額、
その内容を記載します。

旅費交通費や接待費、
通信費、消耗品費などが

経費として計上出来ます。

仕入帳および売上帳

仕入帳とは、

商品を仕入れや返品など
商品が増えるタイミングで
記帳する帳簿です。

売上帳とは、

売上が発生したタイミングで
記帳する帳簿になります。

基本は現金主義ではなく
発生主義で記帳します。

発生主義とは、

現金の収入や
支出のタイミングは関係なく

”収入や支出の事実が確定したタイミング”

で計上するという方法です。

原則発生主義で記帳しておけば
間違いありませんが、

青色申告で
前々年度の所得が300万円以下

の小規模事業者の場合、
事前に
『現金主義による所得計算の特例を受けることの提出書』

を提出しておけば、
現金主義での記帳も認められています。

発生主義は販売時点での記帳
だということは
ご理解いただけと思いますが、

通信販売のように、
出荷、到着、検品に
タイムラグが発生する業態では、

どのタイミングをもって
売上を計上するのかを
決めておかなくてはいけません。

納品した日に
売上を記載する「発送基準」

先方が受け取った日に
売上を記載する「引渡基準」

先方が検収を終えた日に
売上を記載する「検収基準」

があります。

どの時点で売上収益を認識するかは
各企業体の任意ですが、

選択した基準で
すべて統一する必要があります。

今月だけ変更。
とはいかないため注意しましょう。

売掛帳

売掛帳とは、

売掛金や報酬が
発生したタイミング、

または
報酬が受け取れたタイミングで
記載する帳簿です。

売掛金とは、

売買の際、
あとで代金を受け取ることを前提に
商品を先に渡す取引のお金のことです。

例えば、
クレジットカード払いで
商品を提供したり、

成果物を納品した1か月後に
代金を受け取ったりする
ケースが挙げられます。

案件ごとに
報酬を受け取れる契約や条件、
日付や日数が異なることがあり、

売掛金なのか
受け取ったものなのか
悩むことがありますが、

売掛帳に記しておけば
発生した報酬や
受け取れた報酬を

チェックしやすくなります。

買掛帳

買掛帳とは、

買掛金や支払いが
発生したタイミング、

または
代金を支払ったタイミングで
記載する帳簿です。

買掛金とは、

売買の際、
あとで代金を支払うことを前提に
商品を先に受け取る取引のお金のことです。

例えば、
クレジットカード払いで
商品を購入したり、

成果物が納品された1か月後に
代金を支払ったりする
ケースが挙げられます。

固定資産台帳

固定資産台帳とは、

事業で使用している
車や機械、備品等。

固定資産とされる
ものの名称や購入代金、
購入年月日などを記録した
帳簿のことです。

資産ごとに記帳を行います。

まとめ

上記が青色申告に必要な主な帳簿です。

簿記の知識が必要になるので
大変ではあります。

それでも
フリーランスおよび個人事業主としての
大切な第一歩でもありますし、

何よりも自分自身の事業の状態を
把握することにも繋がりますので、

税務署に相談して頂いたり
簿記を自身で学んだりしながら

税金周りの知識や経験を
是非身につけてくださいね。

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