大事なのは額面?それとも価値?
トップページ物価変動からの続きです。
ここから読んで頂いても問題ありませんが、可能であれば冒頭から読んで頂けると理解が深まると思います。
額面と価値の違いを知る
えっ?1万円は1万円でしょ?
その通りではあるのですが、少し見方を変えて考えてみたいと思います。
まずはお金の側から見てみます。
仮に、目の前に1万円札があるとして、
そのお札を折り曲げてみても裏から見ても1万円は1万円ですよね。
急に10万円になったりはしません。
これは額面1万円ということです。
では、なにか商品やサービスにお金を払うときのことを考えてみます。
例文です。
私は毎年1万円で買っている商品があります。
今年から仕入れ値が上がったという理由で、
お店側が1万1000円に値上げしたとのこと。
同じ商品を買う時に、今までよりも多くお金を出さないと商品が買えなくなってしまいました。
買えるつもりでお金を持ってきていた私は、
しぶしぶお店を後にするのでした、、、。
おわかりになりましたでしょうか。
額面は絶対的なものなので
1万円のままなのですが、
商品の対価としての相対的な価値としては、
多くださないと買えなくなってしまっていることから、
お金の価値が下がったと言えます。
もう少し具体的な例を出しますと、
昭和30年代前半のころ、
記事を書いているのが2020年なのでおよそ64、5年前です。
大卒のエリートの初任給がざっくり10,000円くらいでした。
日当ではありません。月収です。
今現在30代ぐらいの方でしたら、
親の世代かおじいちゃんおばあちゃんの世代でしょうか。
たかだか半世紀ちょっと違うだけなのですが、
物価の影響でこれだけお金の価値というのは変わっています。
物価が持続的にあがることによって
お金の価値が下がることを、
インフレーション(略称:インフレ)といいます。
お金の価値が減り続けてしまうような状況のことを、インフレリスクと呼んだりもします。
えっ!?じゃあインフレにならない方が良いってこと?
お金の価値が下がると言われれば
よくないことのようにも感じますが、
決して悪いことばかりではありません。
ここでも少し視点を変えてみましょう。
消費者側からみると払うお金が増えるのでデメリットに感じますが、
企業の側からみるとメリットに変わります。
例えば、1000万人が利用する商品を10円値上げしたとしたら
10,000,000人×10円=1億円
利用者が多い商品だった場合、たった10円の値上げでも大きな利益に変わります。
国の立場からしてみても、
やはりインフレ状態を維持しようとします。
理由としては
・企業の売り上げが増えれば税収が増える
・企業の余力が増えれば社員の給与に還元される
・社員の給与が増えれば消費が促進される
こんな青写真を描いているからです。
ただ現実は思い通りにならなかったようで、
激動の時代の不安から、
社員に還元せずに内部留保(会社の余剰金)に回す企業が続出しました。
国は企業にお金を使ってもらうため
設備投資や社員の給料に還元した企業の
法人税を優遇する措置をとるようにしたのですが、
コロナウイルスの問題があったことで、内部留保が少なく体力の残っていなかった企業がどんどん倒産する事態に・・・。
何事もバランスが大事なのかもしれません。
超低金利になったワケの記事のところで触れましたが、日銀は金利を調整して経済の安定を図ろうとします。
現在の方針としては、
”安定的に物価が2%ずつ上昇”するまでは、
現在の金利を上げないとのことです。
最近の物価はおおよそですが、
毎年0.7%程度ずつ上がり続けていました。
コロナウイルスの影響で値下げ圧力がかかった部分もありますので一概には言えませんが、
今のゼロ金利のところにお金を預けているだけでは、お金の価値はどんどん変わっていくという認識は必要だと思います。
あなたの大事な資産を守るためにどんな方法があるのか学んでいきましょう!
何もしないことが一番のリスクなのかもしれません。
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